循環器内科

高血圧症

高血圧症とは、体内を循環する血流のうち、動脈内の圧が高いことをいいます。

高血圧症の自覚症状と注意点

心臓や血管に異常が生じない限りは、ほとんど自覚症状がありません。

血圧が高い状態が続くと、動脈硬化が進みやすく、心臓病や脳疾患、その他の血管の病気の原因になるので要注意です。

高血圧症の原因

遺伝的な要因と、生活習慣などの環境要因が複雑に関係して高血圧になるケースが大半です。
そのほか、腎臓の血管の異常、腫瘍など、特定の原因による場合も時々あります。

高血圧症の検査方法

血圧は心臓が1回収縮する度に変化するので、何度も血圧を測定し、平均で判断します。

高血圧症の治療

よくある質問

患者様からよく寄せられる「高血圧症」に関するご質問をまとめました。

高血圧の原因は何でしょうか?

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遺伝的な要因と、生活習慣などの環境要因が複雑に関係してできあがる高血圧が普通の高血圧です。そのほかにも腎臓の血管の異常、腫瘍など、特定の原因による場合も時々あります。初診では、高血圧症の成り立ちや合併症の有無、進行の度合いなどを種々の検査を行って調べます。

高血圧の治療を受けているのですが、なかなか良くならないのですが…

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背景に何らかの特殊な原因が関係していることがあり、種々の可能性を検討しながら治療してゆく必要があります。

高血圧の予防方法でおすすめの方法はありますか?

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高血圧症の治療の中で指導する運動療法、食事療法などが予防法でもあります。運動療法についてもコツがあります。診療の中でその人に合わせた指導をする必要がありますので、気になる方はお気軽にご来院ください。

脂質異常症

動脈硬化を起こし、心臓病や脳疾患につながる病気です。
生活習慣の改善が大切です。

脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)とは

脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が増え過ぎる病気です。

脂質異常症にある、主な3つのタイプ
  • 1. 高LDLコレステロール血症(悪玉コレステロールが多いタイプ)
  • 2. 低HDLコレステロール血症(善玉コレステロールが少ないタイプ)
  • 3. 高トリグリセライド血症(中性脂肪が多いタイプ)

血液中のLDLコレステロールが多過ぎると、動脈の壁にくっついて、動脈が厚くなり、血管が狭くなります(動脈硬化)。
悪玉を抑える善玉のHDLコレステロールが少ないのも同様に問題となります。
中性脂肪の増加自体は、動脈硬化に直接つながるものではありません。
しかし善玉のHDLコレステロールを減らす作用があり、その分、悪玉であるLDLコレステロールが増えるので、間接的に動脈硬化を進行させてしまう原因となります。

脂質異常症の原因と症状

原因は運動不足やカロリーの高い食事の取りすぎなど、生活習慣が大きく影響します。

脂質異常症の診断基準

脂質異常症の診断基準(空腹時採血)

  • 高LDLコレステロール血症 140mg/dℓ以上
  • 低HDLコレステロール血症 40 mg/dℓ未満
  • 高トリグリセライド血症 150 mg/dℓ以上

脂質異常症の検査方法

採血し、血中のコレステロール値や中性脂肪値を測定します。

脂質異常症の治療

運動療法や食事療法、内服治療を行います。

心臓病

種々の検査とそれに基づいた診断により、大切な心臓を守ります。

心臓病の種類

心臓病には、狭心症、心筋梗塞、不整脈などさまざまな種類があり、その症状や治療法も違ってきます。

狭心症

狭心症について

心臓に栄養を送る血管が狭くなることで、その先にある心臓の筋肉に血液(酸素)が十分送り込めなくなり、胸痛などの症状が出る病気です。

自覚症状

主に胸の痛みが出ます。運動時に胸痛発作が起こるものと、安静時に血管が収縮して胸痛発作が起こるものがあります。

検査

  • 心電図(運動時と安静時)
  • 24時間心電図
  • 運動負荷試験
  • 冠動脈CT
  • シンチグラム検査
  • 心臓カテーテル検査

などの検査によって診断します。

治療

内服治療だけの場合もありますが、一般的には心臓カテーテルを使って血管内から狭い部分を風船で広げ、トンネル状の冠動脈ステントを植え込んで、血管を広げた部分が狭くならないよう治療します。

心筋梗塞

心筋梗塞について

心臓の血管の内面の一部が壊れて、その部分で一気に血液が固まり、血管が詰まった状態をいいます。

治療せずに放置した場合の死亡率は10%以上あります。

自覚症状

通常は強い胸の痛み、締め付けられるような圧迫感が続き、それに伴って冷や汗や吐き気、呼吸困難、意識障害なども見られます。

ただし、まれに、目立った症状がなく気付かない場合もあります。

検査

  • 心電図
  • 心臓超音波検査
  • 血液検査
  • 心臓カテーテル検査

などの検査によって診断します。

治療

詰まった冠動脈を開通させるために静脈や冠動脈から血栓を溶かす薬剤を注入したり、カテーテルを使って血管を広げ、ステントを植込む治療を行います。

心臓弁膜症

心臓弁膜症について

心臓の中にある弁が壊れるなどして、血流が悪くなる病気です。

心臓の中にある4つの弁が壊れて血液が逆流したり、弁が硬くなって開きが悪くなり、血流が悪くなる場合に起こる病気のことをいいます。

自覚症状

自覚症状がなく進行していくケースがほとんどです。
進行してくると、体を動かしたときに動悸や息切れが生じることがあります。

検査

心電図検査や心臓超音波検査などで診断します。

治療

外科的手術で弁を取り替えたり、カテーテル治療を行います。

心不全

心不全について

さまざまな原因により、心臓から体に送り出す血液が十分でない状態です。
栄養分や酸素を含んだ血液を全身に送り出すポンプの役目をする心臓が、何らかの原因でその機能が弱まり、送り出す血液が十分でない状態をいいます。

心不全は主に次の3つに代表されます

急性心不全急性心筋梗塞など急性の病気によって引き起こされるものをいいます。
慢性心不全心臓弁膜症や心筋症などの病気が原因で、心臓の働きが低下している状態が続いているものをいいます。
慢性心不全憎悪慢性的に心臓の働きが低下しているところに、何らかの原因によって状態が悪化することをいいます。

自覚症状

急性の症状では血圧低下や呼吸困難が表れます。慢性のものでは運動時の息切れ、動悸、呼吸困難、足のむくみなどがみられます。

検査

  • レントゲン検査
  • 心電図
  • 血液検査

上記を基本とします。

さらに詳しく調べるために以下の検査などがあります。

  • 心臓超音波検査
  • カテーテル検査

治療

大半は、心不全の原因を治療することも含めて、内服治療を行うことが一般的です。

緊急を要するものや重篤なものに関しては、カテーテル治療や手術を行ったり、ペースメーカーや特殊な機器を植え込んで心臓の働きを補助する方法を用いることもあります。

不整脈

「あれ?おかしいな」と不安なときは、検査を行いましょう。

不整脈の症状

急に速い脈のドキドキを感じる、ドクンとういう動悸があり気分が悪くなる。

不整脈の原因

原因には先天性のものと後天性のものがあります。

24時間心電図検査
  • 電気生理学的検査(心臓に血管から電極を入れて検査をする)
  • 特殊な装置を皮下に埋め込んで発作が起こるまで長期に記録する方法
    • など

  • 内服治療
  • カテーテルを使って、不整脈の源を電気または冷凍方式で焼却する方法
  • 心臓ペースメーカーの植え込み
    • など

動脈硬化

高生活習慣病が引き金になり、心臓病や脳疾患にもつながる病気です。

動脈硬化の症状

動脈硬化自体には自覚症状はありません。

動脈硬化によって引き起こされる病気によって、自覚症状が変わります。

下肢の血管が動脈硬化になると、歩行時に足に違和感や痛みがあります。

脳の血管の場合は認知症の原因になることがあり、心臓の血管の場合は狭心症や心筋梗塞を引き起こします。

動脈硬化の原因

生活習慣病が主な原因となります。

日本人で一番多いのは高血圧、次が糖尿病です。遺伝による高コレステロール血症や喫煙によっても発症しやすくなります。

動脈硬化の検査方法

  • CAVI検査
  • 頸動脈エコー検査

などの検査で診断します。